古備前・扁壺(へんこ)徳利
備前焼と言えば日本の六古窯のひとつで最も古い伝統を守り続け千年の間、窯の煙は絶えたことがないと言われています。
「備前焼は落としても壊れない」といわれるほど堅ろうであったため日用雑器としての利用が主流でした。
釉薬を使わず堅く焼しめられるとこが特徴で現在でも絶妙な色合いや質感の素朴さが魅力と根強く支持され続けています。
彫刻のある角徳利は江戸時代後期の代表的な作品ですが、こちらの扁壺徳利はとても特殊な形をしていて大変希少な作品です。
当時、出来栄えの良い品は献上徳利と呼ばれ保命酒を詰め朝廷や公卿の方々への贈答品とされていました。
この作品がどのように活躍してきたのか、想像すると空想的な夢が膨らみます。
サイズは直径9㎝ 高さ12.5㎝ 口径2㎝、厚み4㎝となっておりコンパクトでありながら使い込まれてきたからこそ出る味を醸し出し存在感を放っています。現在では置物や花瓶として多くの方に愛用されています。
歴史の背景や作品の状態から江戸期に活躍していた作品かと思われます。
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